こんにちは。ばーしーです。
宅建士として不動産会社の売買仲介部門で5年間営業し、年間50件契約した経験を基に、不動産売却に関する情報を発信しています。
この記事では売却活動を依頼する会社選び・担当者選びが最も重要であるということと会社選びに失敗した人の特徴4選をお伝えします。
私が従事していた頃、一括査定サイトによる売却相談・査定依頼を毎月10件以上対応し、3件から4件は売却活動の依頼を受注していました。様々な事情を抱える中、不動産を売った方がよいのか、保有していた方がよいのか等々悩みは十人十色です。
不動産会社は売買や賃貸の「仲介」という行為を通じて、手数料をいただいています。お客様から依頼されないと立ち行かない商売です。
どの営業担当者もあなたから依頼をいただくために日々学び、必死に営業しています。あの手この手であなたの気を引こうとします。中には過剰な話をしてくる営業もいるかもしれません。甘い話に騙されないよう注意しましょう。
◆こんな方にオススメ
- 不動産の売却を考えているがどの会社に頼んでいいかわからない
- 実際に査定をしてもらったが、誰にお願いするか悩んでいる
- すでに売却活動をスタートしたが中々売れないため、依頼する会社を変えたい
上記に当てはまる方はぜひ、この記事を読んで会社選び・担当者選びの重要性を理解してくださいね。
1.【理由】不動産売買は取引を終えるまで、売買した目的が達せられたか判断できない
不動産売買はお見合い結婚に似ているかもしれません。事前に情報は入りますが、いざ相手方と話を進めた際、取引行為が全て終わるまで自身の目的が達せられているか判断できないのです。
なぜなら売買することは手段であって、目的ではないからです。各々の目的があって、不動産を売買しています。
◆実際の相談例
- 住み替えのため、持ち家のマンションを売却して(=手段)戸建を購入したい(=目的)
- 実家を相続した。用途がないため、実家を売却して(=手段)代金を親族で分配したい(=目的)
不動産売買は一生に一度あるかないかの経験で大きな金銭が動くため、気づくと売買することが目的になっている方がよくいました。今一度何のために売買するかを認識しましょう。
不動産会社は売買契約することで仲介手数料を受領する権利が発生します。皆さんにとって手段である売買が不動産会社の目的です。あまりにも人の話を聞かず、契約を急ぐ営業に用心してください。以下、解説です。
解説① 売却活動はスタートからゴールまで9ステップ
◆実際の相談例
- 住み替えのため、持ち家のマンションを売却して(=手段)戸建を購入したい(=目的)
- 実家を相続した。用途がないため、実家を売却して(=手段)代金を親族で分配したい(=目的)
2つの例は「⑤売買契約」が成立した場合、すぐに目的である住み替えと代金の分配ができるのでしょうか。
ケースバイケースですが、ほとんどの場合はNOです。図「売却活動の流れ」をご覧ください。
流れについての詳細は別記事で説明することとし、割愛します(作成中です)。
売却活動は「⑤売買契約」の時点で取引行為のすべてを完了していません。「⑧決済(引渡)」のタイミングで売買代金を全額受け取ることに対して、不動産所有者の権利を買い手にお渡しし、取引完了となります。
◆実際の相談例
- 住み替えのため、持ち家のマンションを売却して(=手段)戸建を購入したい(=目的)
→売却代金を購入資金に充てる方は「⑤売買契約」をおこない、資金を確保した後に戸建購入を進めていく必要があるため、目的を達せられません。
- 実家を相続した。用途がないため、実家を売却して(=手段)代金を親族で分配したい(=目的)
→「⑤売買契約」の時点で売却代金全額が手に入っていないため、目的は達せられません。
図の流れにおいて不動産会社の仲介業務は「⑧決済(引渡)」で完結しますが、担当者は図中①~⑨の流れを把握し、手堅く売却活動を進めていくことが求められます。不動産の売却活動はこの流れの中に様々な法律やローンなど諸条件が絡み合うため、より複雑になります。吟味して会社や担当者を選んでください。
解説② 不動産会社・担当者はあなたをゴール(=目的)へ導くガイド役
それではどんな会社選び・担当者選びをすればよいのか。
答えはゴール(=目的)へたどり着くイメージが湧くかどうかです。
担当者と話をする中で、皆さんの話や希望に耳を傾け、ガイド役として安全にゴール(=目的)まで導いてくれそうな人はいたでしょうか。
勢いや見た目の要素など決め手になりそうな点は散らばっていますが、ばーしーは上記の点が大切だと考えています。
このサイトを通して、あなたの目的を果たしてくれる会社・担当者を一緒に見つけていきましょう。
【補足】一括査定サイトは顧客を不動産会社に紹介する仲人
一括査定サイトの役目は顧客を不動産会社に紹介することです。
運営事務局があるためアクションを起こせば対応してもらえますが、基本は査定申込が完了すれば終わりです。万が一対応先である仲介業者との間でトラブルがあっても、責任を取る立場にはないのです。
査定サイトに関する情報や口コミも参考になりますが、あくまでも不動産会社選び・担当者選びが大切だということを忘れないでください。
そのために複数の会社と出会える一括査定サイトを利用することがベターです。
2.【参考】不動産会社選び・担当者選びに失敗した人の特徴4選
ここまで売却活動を依頼する不動産会社選び・担当者選びの重要性について、理由を交えながらお伝えしてきました。
選定のポイントはゴール(目的)までたどり着くイメージが湧く担当者か否かですが、相手は四六時中営業をしている人間です。悪い人だと依頼欲しさのあまり、言葉巧みにあなたを攻め落とそうとしてくるかもしれません。
私が営業していた頃、会社選び・担当者選びを失敗し相談に来てくださった方の特徴を4つお伝えします。
特徴① 査定金額の高さにつられて依頼した
査定金額 | |
A社 | 1,000万円~1,200万円 |
B社 | 1,000万円±100万円 |
C社 | 1,800万円~2,000万円 |
D社 | 900万円~1,100万円 |
査定金額例中のC社に頼んでしまった状況です。
査定の際、不動産会社から必要以上に評価を高めて査定金額を伝えられたことを鵜吞みにし、依頼したケースです。C社に依頼した結果、その金額で売れずに困っていました。
C社の狙いは売れない理由を羅列し、最終的には他社と同等の評価額まで引き下げて売却させることです。理由を理解しても納得できなければ、騙されたと感じることと思います。
あなたが依頼した査定結果の中に、他社と比較して評価が飛びぬけている会社はありませんか。根拠を納得できるように説明してもらいましょう。
特徴② チラシやDM、ネットの情報を信じて依頼したが売れない
図のような手書きまたは手書き風のチラシ・DMを見て依頼したが売れないというケースです。
配布している不動産会社に購入希望の方がいる可能性はゼロではないですが、ほとんどいないと思っていただいて差し支えありません。本当にその会社で購入希望のお客様を抱えている場合、どの会社に頼んでも問合せがきます。
ネットの情報にも気を付けてください。私もそうですが、人間は自分にとって都合のよい情報に目が行きやすいです。そんな時は一旦冷静になって考えましょう。見かけの情報に踊らされてはいけません。
特徴③ 売却活動を依頼してから状況報告がない・状況がよくわからない
売却活動を依頼したのにその後の状況報告がない、または連絡があっても報告の質が低く、状況がよくわからないという方もいました。査定の時だけお客様によい話をして、フォローがないケースです。
依頼時に締結する契約書の中で、業者が報告をおこなう頻度と方法を定めます。ほとんどが紙媒体やメールで送付する定例業務で、当たり障りない内容の記載しかなく、個別の連絡がないため状況がわからないというカラクリです。
私が所属していた会社では1週間に一度、電話にて状況報告をするようルール化されていました。査定時、どのような報告手法を取るのか担当者に確認してみましょう。
特徴④ 売れない状況のまま次の提案がない
募集活動を始めたが問合せが全くない、問合せはあるが内覧希望に至らない等々の理由はありますが、いつまでも売れないのに次にどうしたらよいか提案がないケースです。
販売価格や販売方法について現状のままでよいのか、それとも変化を起こすべきか悩んでいるのに提案がないと困ります。
もし提案を受けた時に現状のままでも変化を起こすにしても、納得できる説明があるかどうかチェックしましょう。
3.【注意】不動産会社も顧客を選んで仕事をしている
ここまで依頼する側の立場でお話をしてきましたが、顧客も不動産会社側から選ばていることを紹介しておきます。
不動産業者は依頼主の売買を手伝う(=仲介する)ことで、仲介手数料を受領します。パターンは2種類です。
- 売主と買主両方を担当し、両方から仲介手数料をいただく=両手仲介
- 売主または買主いずれかを担当し、そのいずれかから仲介手数料をいただく=片手仲介
片手仲介は売主を担当する会社と買主を担当する会社という2つの会社を立てて仲介をおこなう形です。つまり、一括査定サイトで売却活動を依頼しなかった会社の顧客が買主になる可能性があります。
一括査定サイトを頼んだものの、営業されることが嫌だからといってぞんざいな扱いをすることは控ええてください。あなたの悪い印象が残ってしまうと、断られた業者の購入検討客に紹介されない場合も考えられます。営業する側も後々トラブルになることを避けたいため、悪いイメージがあるところに近寄りません。
自ら間口を狭めないように可能な限り、誠意ある対応を心掛けましょう。
4.まとめ
不動産の売却は売却活動を依頼する不動産会社・担当者選びが最も重要です。
あなたは何か目的があって売買をおこなうはず。その目的まであなたを導いてくれるガイド役をしっかり見極めましょう。ゴール(=目的)までのイメージが湧くかどうかが選び方のポイントです。
特に査定金額が他社と比較して高すぎる会社、既に購入希望者がいると謳う会社は要注意です。安易に依頼をしてはいけません。納得できる説明を受けるか、確固たる情報を自分から得るようにしましょう。
不動産売買は整理する必要が多く高額取引となります。後々失敗したと後悔しないよう慎重に話を進めてくださいね。
ご質問・ご相談は可能な限り、お応えしていきます。何かありましたらお問い合わせページよりご連絡ください。
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